トップページへ 塩の情報室 目次
塩の種類と特徴
製法と原料による塩の分類

「あらしお」の話
(2010記載)

「フレーク塩」の話
(2010記載)


「焼塩」の話
(2010記載)


「藻塩」の話

「自然塩」の話
(2010記載)


「ミネラル塩」の話
(2010記載)


「化学塩」の話
(2010記載)


市販の塩の種類

「あらしお」の話
(旧原稿)


自然塩の話
(旧原稿)


岩塩の話

天日塩の話

生活用塩とは

深層海水塩

塩の添加物
「あらしお」の話(2010記載)
定義: 海水から塩を析出させた後、加工していない塩を総称する。
別名: 生塩、湿塩。
(注)「あらしお」は静岡市のあらしお株式会社の商標登録になっている。「あらしお」と「あらじお」に言葉の意味の差はない。
特性: 溶けやすい、素材にくっつきやすくなじみやすい。

 あらじおは特に加工をしてない塩という意味だけで、特別な塩を意味するものではない。なにも加工していないことから、自然なイメージにつながって好まれた言葉だろう。加工といっても、脱水、「にがり」添加、粗い粉砕、簡易な洗浄は通常加工した塩とはみなされない。乾燥、焼成、固結防止剤や食品、ハーブなどの添加があれば加工とみなされ「あらじお」とは言わない。ただし乾燥したフレーク塩はしばしば「あらしお」といわれている。「あらじお」は科学や法律で定義された言葉ではなく、「あらじお」は塩の製造法や社会の変遷とともに変わっていく。

 塩専売制時代の1960年代に静岡県の「株式会社あらしお」が天日塩の溶解再製によるフレーク塩を「あらしお」の製造認可を受けて販売したことで、「あらしお」の知名度、好感度は一気に上がった。さらに、この波に乗って、1980年代に赤穂化成株式会社が天日塩に「にがり」を添加して赤穂天塩を販売した際に粗塩(あらじお)として「にがり」が多いことを強調して製品とし、その後、塩専売制廃止の塩多様化の波に乗って、多くの会社が「○○のあらじお」の名称でフレーク塩を販売したのでさらに一般化してきた。

あらじおの説明例として(塩のことば辞典)
次のようなケースで使われる場合が多い。
1) フレークタイプ:結晶がフレーク状で溶けやすくかさばった塩。平釜で製造される。にがり量は多いものも少ないものもある。
2) 粗塩タイプ:にがりが多いことを特徴とするもので、粉砕天日塩ににがり添加したもの、平釜塩でにがりを多く残したものなどがある。
3) 粗粒タイプ:粒が比較的大きいことを特徴とする塩、天日塩などの粉砕塩等に使う。
4) 水分の多い塩:乾燥塩に対比して使っている例がある。

漢字として、「荒塩」と「粗塩」があり、荒塩はフレーク塩でかさばった塩、粗塩は「にがり」や水分が多く塩化ナトリウム純度が低くかっての低級塩をいう、と使い分けられていたこともある。
(丸善、食料の百科事典)

「湿塩」「生塩」も実用上はほぼ同じ意味で使われている。料理のレシピで「あらしお」と書かれている場合は、特に塩種(例えばフレーク塩、天日塩など)商品名を指定してなければ、普通の塩という軽い気持ちで書いているものが多く、基本的にどのような塩を使ってもよいと理解してよい。
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