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需要と供給 需要と供給
日本の塩需要

日本の食用塩需要

世界の塩需要
日本の塩需要
日本塩産業の特徴
1. 食用の大部分は国内生産で膜濃縮+真空式の組み合わせによる。
2. 食用塩は約85%が国内産塩を使用しており自給可能。ソーダ工業用を中心に世界最大の塩輸入国で全消費量の85%は輸入。輸入はメキシコとオーストラリアの2国に集中。
3. 業務用は生産工場からユーザー手元まで同一パレット輸送。
4. 一般的に品質要求が極めて高く、国産塩は品質精度、安全性などは世界最高水準にある。
5. 世界でこれほど家庭用小物は業者数が極めて多い国はない。商品数も極めて多く、業務用、家庭用を併せて、1,500種類以上になるだろう。
制度上の特色
1. 92年か続いた塩専売制が平成9年廃止された(塩専売法から塩事業法に代わった)。輸入および卸制度について5年間の経過措置で制限があったが、それも平成14年4月になくなり完全に自由化された。
2. 所管官庁は財務省(理財局たばこ塩事業室)で、製造、輸入、などについては財務省への届出が必要。真空式製塩については指定制。
3. 輸入については、粒径2.8mm以下の製品については関税がかかる。
4. 食品衛生に関しては食品衛生法、表示については加工食品に関する表示規則に規定されるが、塩独自の品質規格、表示規則などは法律に定められていない。表示に関する公正競争規約制定の動きが進んでいる。
2007年の現況

◆食用塩需要は微減

 国内産塩の主な用途である食用塩については微減の傾向にある。食用塩分野は従来その変動が極めて少ない商品であったが、食品の一次加工が海外に移動する傾向があること、加工済み食品の輸入の増加がその原因ではないかと推測される。また品質要求レベルが低い食品加工分野に輸入天日塩の進出があり、国産塩の生産は圧迫されている。
 日本の塩自給率は15%といわれてきた。しかし食用塩の自給能力は100%、外国からの輸出圧力があって実態の自給率は80〜85%である。塩の自給率15%というのは最大の需要であるソーダ工業原料730万トン(総需要の77%)がすべて輸入であるためで、食用の塩についてだけ見れば需要量114万トンに対し、国内の塩生産能力は130万トン以上である。(表1 塩の需要量と供給量、 表2 生活・業務用塩の消費量、参照)

◆コスト高の圧力はますます顕著に

 石炭価格の上昇、船輸送の運賃の上昇は塩のコストに大きな影響を与えている。塩は燃料費のウエイトが高く、低価格で重いという商品特性のために、燃料費と輸送費の圧力は他の商品に比較して極めて大きい。そのため、昨年度は業務用塩では2円/kgの値上げが要請されたが、十分なものになっておらず、各社ともコスト高の負担が価格に反映できず苦境にある。家庭用小物商品も燃料費、包材費、輸送費が高くなりコスト高の圧力は大きい。

◆新規参入は増加の一途

 真空式製塩工場は大規模生産で比較的低コストで生産されるが設備投資が大きい。これに対し小規模生産、高コストだが設備投資や特殊な技術を必要としない平釜製塩は容易に参入できるため、企業の多角化、村おこし、等を狙って近年多くの企業が参入している。また、専売制がなくなって、卸、輸入販売への新規参入も盛んになり、小規模企業が乱立する状況にある。

専売制廃止後の事業者数推移
区分 1997
専売制廃止
2003
輸入自由化
2007
現在
真空式&天日塩粉砕 13 19 36
特殊製法塩,特殊用塩 275 413 519
83 250 365
輸入販売 33 236 514
食用塩マーケットは総需要の変動が小さいものであり、特に家庭用小物商品需要は家庭の生活様式の変化とともに微減の傾向にあるため、難しい局面を迎えることになる可能性がある。

◆珍しさを狙う岩塩、天日塩は一服

 小口輸入の岩塩、天日塩がその珍しさから市場の話題になったが一服状態のように見える。岩塩は専売時代には輸入されていなかったので物珍しさが先行したが、赤色系岩塩のボリビア、ネパールなどが減少している。岩塩を溶解し精製して製造されるオーソドックスな精製塩はオランダ、ドイツ、アメリカなど堅調に推移している。フランスの天日塩も話題となっていたが一服状態になった。すでに30カ国以上の塩が輸入されており、国内市場は世界で特別ブランド数が多い状況にあり、その中でどのような市場戦略が展開されるか注目される所である。

◆外国塩業動向は波乱含み

 輸入先はメキシコ、オーストラリアが圧倒的に多いが、最近道路用を中心に中国塩が増加している。中国は急激な経済発展を背景に大増産が続いている。恐らく4000万トンレベルの生産が見込まれ、さらに大規模工場の新設が続いている。しかし急激な需要量増加は一服状態であり、今後は生産過剰による市場混乱が懸念される。

◆食用塩公正競争規約への動き活発

 2006年4月26日食用塩公正取引協議会準備会が発足し、食用塩公正競争規約の原案作成が急テンポに進んでいる。製法表記、ミネラル表記、無添加表示、海洋深層水、原料原産地表示、自然天然の表記、等に関する優良性誤認の防止、消費者中心の表示規約の確立に向けて大筋の業界合意が形成されつつある。年内には業界案の説明会、消費者団体、販売団体などとの協議などに移行していくものと考えられる。この進展状況については「塩の表示」の項を参照されたい。
塩需給統計

表1 塩の需要量と供給量
(単位万トン)
  区分 2004年度 2005年度 2006年度
需要量 生活用 22 22 22
業務用 180 192 166
ソーダ工業用 729 722 717
932 936 905
供給量 国内産 123 123 117
外国産 825 828 807
948 951 924
生活用は小袋商品、内訳は塩事業センター生活用塩13万トン、特殊用塩3万トン、特殊製法塩8万トン
表2 生活・業務用塩の消費量 (単位万トン)
区分 2004年度 2005年度 2006年度
生活用 22 22 22
食品工業用 91 92 87
一般工業用 23 25 21
その他 12 12 16
融氷雪用 55 64 42
203 214 188
表3 食品工業用の用途別消費量 (単位万トン)
区分 2004年度 2005年度 2006年度
漬物用 10 9 8
味噌用 4 5 4
醤油用 19 17 17
水産用 21 21 20
調味用 14 16 14
加工食品用 12 12 12
その他 12 13 12
91 93 87
表4 特殊用塩販売実績 (単位千トン)
区分 2004年度 2005年度 2006年度
医薬・医薬部外品・化粧品 40 38 39
塩化ナトリウム含有量60%以下のもの 7 17 18
販売先を限定して試験的に販売 4 4 5
その他 17 25 8
合計 68 85 70
表5 特殊製法塩販売実績 (単位千トン)
区分 2004年度 2005年度 2006年度
副産塩(食用に供されるもの以外) 17 48 54
真空式以外の方法により製造 38 27 23
香辛料、にがり、ごま等の添加 83 100 101
固結防止剤等が混和 (食用以外) 7 9 6
合計 145 184 185
表6 国別輸入数量
大口輸入4国
(単位千トン)
国名 2004年 2005年度 2006年
メキシコ 3,861 3,701 4,821
オーストラリア 3,714 3,902 3,471
インド 371 412 591
中国 305 296 266
小口輸入32国(単位トン)
国名 2004年 2005年度 2006年
オランダ 2,731 1,558 2,304
アメリカ 1,981 2,674 2,781
ドイツ 1,620 1,515 1,459
ベトナム 1,218 7,770 1,428
イタリア 1,151 1,025 1,068
韓国 763 838 720
インドネシア 437 386 269
タイ 825 1,276 738
ボリビア 288 242 311
パキスタン 243 336 797
イギリス 289 244 439
フランス 288 360 463
台湾 277 4 4
イスラエル 459 1,344 1,211
モンゴル 149 176 115
フィリピン 978 506 291
オーストリア 11 12 6
チリー 59 59 62
スリランカ 117 155 181
スウェーデン 21 44 20
ネパール 18 33 37
ヨルダン     54
トルコ     22
ポルトガル 18 18 1
ロシア 16   14
ブラジル 24 28 39
ニュージーランド 1 1  
シンガポール 9 2  
ハンガリー 1 1 2
バングラディッシュ 63    
ルーマニア 20    
モロッコ 20    
ギリシャ 16    
ウクライナ   103  
キリバス 3 31 66
スペイン   6 6
トルコ     22
ブラジル     39
アルゼンチン     78
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