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塩浴と塩マッサージの効用
塩浴と塩マッサージの効用
 数年前、塩マッサージがブームになりました。今も、塩のエステは健在で、リゾートで塩水浴、温泉に塩をおく、なども行なわれ、塩の入った入浴剤や化粧品もあります。塩マッサージや塩浴に関する記事や本がたくさん出ていますが、どの程度本当なのでしょうか。

塩浴の温熱効果

 塩の入った温泉は「熱の湯」といわれます。ポカポカ暖まる、湯冷めしない、抹消血管の血流が良くなる、などの効用があります。塩浴後の体温変化を見ると普通のお湯に入るのに比べて体温の低下が遅く、抹消血管の血流が良くなる結果を図に示しました。これは家庭用の風呂180リットルに大匙3倍(0.01%)で効果があることがわかります。
冷え性、肩こり、腰痛などには効果があります。末端血流の改善効果から、抜け毛が減る、痔に効果があるなどもいわれますが、試してみる価値はあります。ただしあまり大きな期待をしないで下さい。自然塩でないといけないという宣伝をよく見かけますが、どの塩でも効果は同じです。
濃い塩水では効果が大きいかという点は疑問です。死海のイメージのせいか非常の濃い塩水を使う例もあります。塩分濃度は、食塩泉0.1%以上、海水約3%、死海平均25%です。
皮膚表面温度の経時変化
身体末端の血流の経時変化
塩浴の美容効果

 塩浴では角質が軟化して、余分な角質を取り、隅々まできれいにする効果があります。皮膚表面はツルツルになります。
アトピー性皮膚炎への効果

 アトピー性皮膚炎への効果が注目されます。これは海水浴がアトピー性皮膚炎に効くという結果があり、その延長として塩浴の効用が注目されます。これは、1日2回1週間の海水浴治療ですが、皮膚科治療を併用した一種の合宿の成果であり、さらに海水浴は日光浴や運動を併用しているので、塩浴がそのままの効用で効くということにはなりませんが、試してみる価値はあるでしょう。ただ、海水浴でも悪くなる例がありますから注意深くやるようしましょう。
塩マッサージによる美容

 塩マッサージは塩浴の温熱効果、美容効果を利用するもので、塩浴より強力なイメージがあります。しかし過度に塩マッサージをすると角質をとりすぎて皮膚を剥き出しにしてしまい、皮膚を痛める場合がありますから、様子を見ながら過度にならないようにしましょう。硬い結晶でマッサージをすると皮膚を痛めます。微粒塩が良いのですが、美そると、雪塩など微粒塩小袋は市場に出ているのが限られているし、小売店に注文すれば買えますが業務用微粒塩は25kgの袋は大きすぎるという場合、フレーク塩(あらしお、瀬戸のあらしお、磯の華、赤穂塩しぶき、ふんわりいそしお、鳴門のあらじお)あるいは凝集晶の塩(伯方の塩、昔塩、シママース、粟国の塩、浜の塩など)を使って、すり鉢でするか、同量以上の水を加えてドロドロにして使うとよいでしょう。
塩マッサージや塩浴の痩身効果

 塩マッサージでやせる、または部分ヤセができる。ということがいわれ、エステサロンでも宣伝されていたりします。医学関係の論文検索をしても具体的にやせるという実証研究はないようです。しかし、塩を体に塗って密閉療法の要領でラップを巻き運動をすると、抹消血管の血流が良くなることとあいまって多量の汗が出ます。これでやせたという話はあります。大きな期待ができないかもしれませんが、副作用などマイナス面はあまりないし、ぜひやせたい人は試してみる価値があります。
塩浴、塩マッサージをするときの注意

 塩浴は塩を選びません。食塩が一番やすくてきれいなのでよいでしょう。マッサージは前述のように微粒塩か柔らかい塩を使います。ハーブや精油を混ぜて香りを良くするとアロマテラピーの効果も期待できます。自然塩がよいというのはウソです。国内で売られているのは総て海水原料の自然塩です。苦汁、ミネラルが多い塩が良いということもありません。
 塩浴、塩マッサージの後はきれいに塩分を洗い流してください。塩が皮膚に残って荒れる人がいます。浴槽の金属部分もきれいに洗い流さないと浴槽を痛めます。
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