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食用塩公正競争規約
業界原案


食用塩の公正競争規約
に関する表示連絡会
説明用資料


食用塩公正取引協議会
準備会案内
 

食用塩公正取引協議会準備会案内

平成16年4月26日1時から自転車会館(東京都赤坂)において食用塩公正取引協議会準備会説明会・発足会を開催し、食用塩公正取引協議会準備会が正式に発足しました。塩業関係の方々が皆様ご参加いただくようよろしくお願いします。活動内容は次のようになっております。

1.目標
(1) 食用塩公正競争規約の早期成立を目指す。
(2) 塩関係業界が広く多数参加されることを目指す。
(3) 広く消費者の賛同が得られるものとすることを目指す。 

2.活動内容案
(1) 食用塩公正取引協議会および準備会の組織とルール作り
(2) 業界内の意見の集約
(3) 業界内への説明会の実施
(4) 消費者団体、関係業界、諸官庁への説明と意見聴取
(5) 公正取引委員会への対応
(6) 食用塩公正取引協議会準備会会員への情報伝達
(7) 実態調査、問題点の摘出と事前注意
(8) 業界および消費者への広報活動、説明書作成など
(9) 以上を達成する為に必要な事項

食用塩に関して、業界全体を包含する組織がないため、事務局専従者もなく、経費面も限られています。よって、大部分は、会員各社のボランティアにより無償協力で進めます。活動面での制約は大きいですが、幹事会社の協力によりできる限り効率的な運営を目指す。

事務局は社団法人日本塩工業会内におく。事務局長が中心となって各社から集まって作業分担して進める(週1回程度の無償協力を想定)。事務局に常勤者は置かない。(電話なし)。事務局への連絡は、ファックス・電子メール・郵便を利用。

会費は準備会期間中1社あたり年間3万円(会計期間 4月1日〜3月31日)

なお、食用塩公正取引協議会発足後の会費は、今後準備会の幹事会で検討


食用塩の表記問題の解説

社団法人日本塩工業会 尾方 昇

1. 塩商品の表記問題の経緯

 2004年7月公正取引委員会から塩の表記関して9社に改善の警告が出て新聞テレビなどで大きく報道されて業界では大きな反響がありました。一部のスーパー、デパートなどで商品撤去や取引停止などの問題が起きるという事態にまで発展しました。公正取引委員会ではこれを契機に表示についての公正競争規約を作ることを求めてており、業界内で公正競争規約作成の動きが始まっています。

 塩商品の表示問題がクローズアップされたのは、2003年2月東京都が塩商品の表示について、適正な表示を求める指導文書を発表したことが始まりです。東京都は消費者モニター制度や消費者センターなどを通じ、消費者の意見や苦情を聞き、関係業界に連絡、指導をしたり、その解決をする活動を行ってきていますがその中で、塩商品の表示に関する意見をもとに指導文書を出されたもののようです。

 この東京都の指導文書は大きな反響を呼び、商品表示についての関心が大きくなり、一部の企業では枠内表示を中心にある程度の改善が進んできました。また、この指導の反響が大きかったことから、2003年3月に食品新聞社が業界関係者の対談記事を特集として出され、その中で業界で表示問題に真剣に取り組む必要があるという共通認識があることが確認されました。これを受けて食品新聞社が音頭をとって2003年10月には12社が集まり「家庭塩表示検討懇談会」が発足して検討を開始しました。

 2004年7月前述したように公正取引委員会が9社に表示に関しての警告を出すと同時に、商品表示に関する見解を発表し、併せて公正競争規約を作ることを要請しました。一方、東京都は2003年2月の指導の反響の大きさ等も考慮し、2004年2月には学識経験者、消費者団体、業界、行政のメンバーで構成される食塩表示適正化連絡会を発足させて、塩に表示に関するあり方を検討して2004年9月に食塩の表示に関する指針を発表して、食塩表示の適正化の推進を計った。

 業界では食塩表示の改善はのんびり進めるような話ではないという認識で、2004年8月家庭塩表示検討懇談会を改組し、公正競争規約作成準備会を発足させることとして現在検討が進められている。しかし、今まで塩関係の総合的な業界団体はなく、組織作りから始めなければならないこと、専売制廃止後塩に関する共通的ルールがほとんど進められていないこと、など白紙状態から公正競争規約を作るという今までにない困難な問題を抱えての出発になった。

 その後、14回の会合を重ねてきたが、食用塩公正競争規約原案の大筋の合意を得て、今後、業界全体に呼びかけて説明会を開き、同時に食用塩公正取引協議会準備会を発足させるべく準備が進んでいる。業界への案内の発送は平成18年1月初旬、説明会および食用塩公正取引協議会準備会発足会は4月を予定している。業界への案内は塩製造または加工業(真空式、粉砕加工、特殊製法塩、特殊用塩)販売(卸売り、輸入販売)で財務省に届け出ている総ての企業に案内する計画となっている。案内とともに参加の意志を表示していただき、参加意志のある企業数をみて会場設営、資料作成を進めることになる。

 現在、食用塩公正競争規約作成準備会の構成メンバーは、座長:丸本執正(伯方塩業)、副座長(事務局長):尾方昇(日本塩工業会)、メンバー:味の素、天塩、海の精、塩事業センター、ジャパンソルト、白松、日本海水、木曽路物産、ソルト関西、マルニ、日本精塩の13社である。

従来の経緯と今後のステップを図解したものは次のようになる。

【発生から設立までの流れ】

■平成15年2月『食塩の表示に関する業界自主基準策定に向けた指針』を基に表示適正化を策定する働きかけがあり。 東京都からの働きかけ  
  ■食品新聞社が業界関係者の対談を企画
平成15年3月に懇談会を発足
  家庭用塩表示検討懇談会の発足  
   
■平成16年4月に公正取引委員会が家庭用塩の製造販売業者9社に対する警告を行う 公正取引委員会の警告  
   
  食用塩公正競争規約作成準備会の発足 ■公正取引委員会の警告を受け、平成16年4月に家庭用塩表示検討懇親会を改組
   
■平成16年9月に発足し、合計14回の会合を重ね、食用塩公正競争規約[案]を作成。 食用塩公正競争規約作成準備会 ■参加メンバーは、13社で構成
■食用塩公正取引協議会設立準備会が発足後、解散とする。
   
■平成18年2月開催、場所は、東京都内を予定。
■会場費等の捻出のため、参加費1社 5,000円を予定。
説明会開催
会員募集
■入会時には会費の支払いが発生
   
■入会時に一般会員と幹事会員を選択
   
■会員募集後、準備会を発足。以下の(1)〜(3)の活動を行う。
■幹事会社は、食用塩公正競争規約作成準備会の13社に今回幹事会社を希望される会社。
食用塩公正取引協議会設立準備会の発足 ■幹事会社は、
(1)定期的な会合に出席
(2)準備会運営に必要なその他活動
をしなければいけない。
   
食用塩公正取引協議会設立準備会の主な活動 (1)特定用語等検討会 ■消費者代表、学識経験者、関係諸官庁から構成される外部委員会に意見を求める。
 
(2)業界内意見の集約 ■規約や表示・特定用語等に対する意見を各社に募集。それらを集約。
 
(3)準備会幹事による検討会 ■(2)で集まった意見を幹事による会合で検討。
■その結果をEメールやFAXで各社に送信。
   
  公正取引委員会に食用塩公正競争規約を提出 ■食用塩公正取引協議会設立準備会で意見集約し、作成された食用塩構成競争規約を公正取引委員会に提出する。
     
■設立時期は、2008年ごろか? 食用塩公正取引協議会の設立 ■公正取引委員会から食用塩構成競争規約が承認されたのち、食用塩公正取引協議会を正式発足させる。

公正競争規約とはどんなものか(公正競争規約のメリット)

ウソのない表示を消費者に届ける。信用のシンボル

 消費者保護の観点から適正な商品表示を業界で定め公正取引委員会の承認をえて公示し業界の自主的運営のもとにこれを守っていくシステムで、関連企業が集まって組織する公正取引協議会によって運営される。ここでいう表示とは、製品の表記だけではなく、広告、見本、パンフレットなども含まれる。関係する企業は公正取引協議会に入会し、会員企業は製品に認定の公正マークをつけることができ、それによって適正な商品表示を行っていることを消費者に認知させることができる。多くの業種で公正競争規約が作られて運用されている。入退会は自由だが、多くの流通市場で公正競争規約ができていても認定マークがないという状態では取引が拒否される例がある。公正マークはウソのない商品のシンボルであり、商品、会社の信用が高まり、デパート、スーパーなどの量販店でも安心して商品を取り扱うことができる。

塩にしかない特別ルールが公認される。これでイチャモンはつかない

 不当景品および不当表示防止法では、根拠なく他社に優越する表示をしてはならない、他社を誹謗する表示をしてはならないなど、表示に関する規則が定められています。食品衛生法や健康増進法にはミネラルに関する表記の基準が定められたり、添加物表示の基準などが定められ、農水省からは加工食品品質表示基準などが定められたりしています。これらの一般法は塩独自の表示の詳細を定めたものではありません。公正競争規約は従来の法律に準拠しながら食用塩独自の問題を定めており、食品衛生法、健康増進法、不当景品不当表示防止法など従来の一般法で定められていない事項をユーザーの意向を受けて業界で協議して定め、関係諸官庁の承認をえて発効するもので、公正競争規約で塩独自の問題として定められている場合は、公的に承認された業界の統一ルールとしての性格をもつものになり、公正競争規約を守っていれば大丈夫ということになるし、公正競争規約に違反した表示は不適正表示や優良誤認を与える表示として警告等を受ける可能性がある。

アフターケアがあるから安心

 公正取引協議会は適正な表示が行われているか事実調査を行い、会員の指導相談、消費者への周知や苦情処理を行うなどの活動をする。違反がある場合はその是正のための措置を行う。また入会していない企業に対しては公正取引委員会が法的違反にたいし直接警告等の是正措置を行うことになる。
塩商品の表示について問題が起こった場合、公正取引協議会が代表して消費者、諸官庁に説明、調整をすることができる。これは個人企業で行う場合、自社利益の誘導ととらえられる場合があるが、客観的業界総意として交渉できる点で有力なものとなる。

業界意見、消費者意見が反映される

 公正競争規約は業界の意見を反映しながら自主的に定め、関係官庁などの承認を得て実行される。お役所の押しつけでなく自らの意見を反映することができる点で大きく異なる。しかし、業界のわがままや虚偽表示などの違法な表示を公式に認知していくものではない。原則は消費者保護であり、消費者代表、学識経験者、関係官庁など、多くの外部委員会の承認が必要であり、消費者意見調査などのステップを踏んで決定されるものである。勿論、法律に違反するような内容、説明が付かない不合理な内容、消費者に誤解を招くような内容、実際のものより優れていると誤認する表示、競合他社より優れていると誤認される表示、などは認められない。

3.食用塩公正取引協議会準備会は何をするのか

 未だ食用塩公正取引協議会準備会は発足していないから、実際は発足後の幹事会で決められていくことになるが、おおよそ次のような活動が想定されている。

1.食用塩公正取引協議会準備会の運営ルールの作成
 役員、幹事会、公正競争規約検討委員会、外部審査会などの組織を作り、活動内容に応じた会費の決定、事務局構想などを検討を行い、これらをルール化して今後の活動の基盤を作る。

2.業界内意見の集約
 基礎原案をベースにして、食用塩公正取引協議会準備会会員を中心に業界内の意見を求め、さらなる要望事項や修正意見をまとめ原案修正の検討を行う

3.消費者、関係業界、諸官庁等への説明と意見の集約
 消費者代表、関係団体、諸官庁などへの説明、意見の集約を行い、業界内で調整して成案に反映する。

4.内部検討委員会
 業界内意見、外部からの意見を集約して業界内意見の集約を行うとともに、原案修正を行う。食用塩の表示実態を調査し、問題表示について検討する。

5.外部審査会による検討
 原案の妥当性の審議、内部検討会で集約できなかった問題についての意見聴取を目的として、消費者代表、学識経験者、関係諸官庁の協力を得て外部審査会を組織する。

6.質問への対応と情報伝達
 会員からの質問に答えるとともに、意見の集約を行う。

7.情報伝達
 内部の意見、質問と回答、諸官庁、関係諸機関からの意見、原案修正の提案などを取りまとめ、表示問題の動向全体の情報を食用塩公正取引協議会準備会会員に定期的に連絡する。

8.関係諸官庁への連絡および調整
 公正取引委員会、農水省、厚労省、財務省、東京都など関係諸官庁に説明、連絡、調整、協議などをおこなう。

9.食用塩公正競争規約の成立に向けての諸業務、説明書の作成

10.公正取引協議会の設立準備

4.準備会参加のメリット

1.公正競争規約作成に向けての意見を提案し、審議に参加できる。
2.表示問題の情報が速やかに連絡されるので、自社商品への反映が速やかに対応できる。
3.疑問点などに対して質問、回答が行われる。
4.公正表示に対する姿勢が社会的信用につながる。

5.原案の要点

1.(適用範囲)

・NaCl40%以上の食用塩とする。有機物添加品および特定ユーザー向け業務用を除く。
 ・包装、広告、チラシ、看板等を含む

2.(一括表示)
 名称:塩、食塩、または低ナトリウム塩
    低ナトリウム塩とは乾燥基準でNaCl60%未満
 原材料名:海水、海塩、岩塩、湖塩、地下塩水、煮つめ塩とし、これに括弧書きで原産国名または県名を記載する。商品名等に地名表記のない場合は省略してよい。
    にがり添加は粗製海水塩化マグネシウムと記載する。製造工程で生出したにがりは添加物とみなさない。
 原産国:国内産で輸入品と誤認される恐れのある場合国内産と表示してよい。

3.(製造方法の記載)
 製造方法を表記する。(当面義務化しない)原料、濃縮(溶解)、結晶、加工の4項について該当する項目を記載する。使用するよう語は次の通り。

原料:海水
濃縮:イオン膜
結晶:立釜
加工:乾燥
原料:天日塩、海水
溶解:海水溶解
結晶:平釜
原料:海水
濃縮:天日
結晶:平釜

4.(特定用語)
1) 深層海水:深層海水の使用を表示する場合、優れていることの商品特徴の合理的根拠を示すこと。使用割合を表示すること。
2) 食品添加物不使用の表記:添加されていないことの合理的根拠が必要
3) 特定栄養成分(ミネラル)の表記:健康増進法に準拠すること
4) 特定地域名の表示:商品名、商品説明に特定地域名がある場合、その地域以外の海水を原材料としている場合は同一視野内に輸入、国産の別、海水等の原産地名を記入する。
5) 天日塩:天日塩を溶解再結晶などで原形を転換する加工を行わない場合に限り天日塩と表示できる。
6) 焼き塩:焼成した食用塩について表記できる。
7) 藻塩:海藻浸漬、海藻エキス添加、海藻灰添加について表記できる。合理的根拠なく古代製塩法を再現したものという表示をしてはならない。
8) フレーク塩:鱗片状結晶が大部分を占める食用塩について表記できる。
9) 食塩、精製塩、食卓塩:塩事業センターの了承のある場合を除き商品名として使用してはならない。
10) にがり表示:にがりとは塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウムを主成分とする製塩副産物としての液体で、マグネシウム含有量が0.1%以上で苦汁含有の表示ができる。
11) 特級、特選:同種の比較対照品がある場合にのみ使用できる。
12) 自然海塩:未だ合意を得ていないので今後食用塩公正取引協議会準備会内に作られる審議会によって検討する。

5.(不当表示の禁止)
1)原産地名:原料の大部分が別の地域で採取されていることが不明瞭な表示
2)特定原材料の優位性表示:合理的根拠がなく優位性を表示した場合
3)事実と異なる製法表記:合理的根拠なく品質が優れていると誤認する表記
4)天然塩、自然塩の表記:天然の、自然の等形容詞的表現は優良誤認の恐れがない場合は使用してよい
5)官公庁、神社、仏閣、著名な団体個人が推奨していると誤解される表示
6)他業者の中傷、誹謗
7)合理的根拠なく健康、美容に効用があると誤認される表示
8)競合他社より著しく優位であると誤解される表記

6.(会員証紙)
適正表示の会員事業者(公正取引協議会)は容器等に会員証紙(公正マーク)を表することができる。

7.(公正取引協議会)
 会員事業者によって構成する。
 公正競争規約の周知、相談指導、違反の調査、消費者苦情処理、諸官庁との連絡等を行う。


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はじめに
食用塩公正取引協議会準備会の位置づけ
設立までの流れ

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